静岡県 58歳 男性
BEFORE総務事務/営業事務
AFTER総務担当
自分には価値がないという思い込みをプロの伴走で覆した瞬間
日本の雇用システムにおいて、58歳という年齢は非常に過酷な岐路となります。
法律では65歳までの雇用確保が義務付けられていますが、現場の現実は甘くありません。
多くの企業で定年は60歳と定められている中、定年再雇用という名の待遇だけが削られる日々があと2年で訪れるのです。
60歳をどう迎えるか…。
今回インタビューしたIさんも、その冷酷な現実に直面していた一人でした。
Iさんは23年間、総合商社の卸売業で事務の要として、またある時は店舗の店長として会社を支え続けてきたベテランです。
しかし、Iさんは自身の経歴はどこにでもあるものと捉え、自らの価値を見出せずにいました。
かつて利用した職業紹介所では、高圧的な態度で「あんたの経歴じゃ(転職は)厳しいよ」と突き放されたこともありました。会社の現状から見えるのは報われる未来ではなく、定年という期限に縛られた身の置き所のない不安。
「58歳の事務職に、今さら何ができるのか」。
そんな、周囲や自らの中から突きつけられる否定の言葉を、彼はどうやって「年収90万円アップ」という驚異の評価へと塗り替えたのか。彼の心の変化を追いかけます。
60歳で待ち構える「3つの障害」への恐怖
私はこれまで、県内にある卸売や小売を営む会社で23年間働いてきました。
事務職として経理や銀行の入出金管理をこなす一方で、店舗の店長として現場の切り盛りもする。文字通り、会社のためには何でもやってきたのです。
しかし、ここ数年、私の心は少しずつ削られていました。
急な欠員が出ても補充はされず、私の業務量だけが増えていく。朝は誰よりも早く行き、帰りも人より遅い。それなのに残業代が出るわけでもなく、役職が上がるわけでもない。
会社からは、仕事が回っているならいいじゃないかと、私の献身が当たり前として扱われ、報われない虚しさを抱えていました。
そんな日々の中で私を最も追い詰めたのは、間近に迫った「60歳定年」という現実。
会社に残るという選択肢もありましたが、そこには明確な3つの障害が立ちはだかっていたのです。
1つ目は、待遇の急降下。
60歳で一度退職扱いとなり、再雇用される際には給与や待遇がガクッと下がることが通例でした。
長年貢献してきた結果が、これまでの実績をリセットされるような減給だという事実に強い抵抗を感じたのです。
2つ目は、責任はそのままという矛盾。
給料は下がるのに、任される仕事の責任や業務量は現役時代と変わらない見込み。
むしろ、ベテランなんだからわかっているだろうと、さらに負担が増える未来すら想像できました。
3つ目は、評価のストップ。
再雇用後はあくまでサポート役。
昇給やキャリアアップの道は実質的に閉ざされ、仕事に取り組むためのモチベーションが奪われてしまう。
このままこの会社にいると60歳で待遇が下がるのに、責任や仕事が減らないのはどうなのか…。
そんな葛藤が、毎日頭を離れませんでした。
58歳という年齢。
現状も良くない状態なのに、あと2年耐えてその未来を受け入れるのか。
まだ自分の価値を信じてくれる場所へ飛び出すのか。
とはいえ、現実は残酷でした。
自分一人で求人サイトを眺めることから始めましたが、58歳の事務職というだけで多くの扉が閉ざされているようにしか感じません。
地方都市では求人の数自体も限られており、自分のこれまでの経験がどう評価されるのか、全く見当がつかなかったのです。
「やはり、自分の年齢では無理なのかもしれない」。
そう思い悩んでいた時にインスタグラムで見かけたのが、ライフシフトラボ転職コースの広告。思い切って無料相談を受けたものの、当初は怪しいと思いました。
しかし、一人で転職を乗り越えられる自信はなく、気持ちは受講に傾きながら費用の面で3〜4ヶ月は迷い続けました。
しかし、50歳くらいの同僚が転職したことで、自分もいけるんじゃないかと、転職への気持ちがさらに強まり、妻に相談すると内容や費用面を総合的に判断して「やれるだけやってみたらいいんじゃないか」と背中を押してくれました。
その一言が、孤独になりかけていた私の戦いに終わりを告げるきっかけとなったのです。
長年の事務の経歴を、選ばれるための戦略へ
ライフシフトラボで受講が始まり、驚いたのはキャリアの棚卸しの深さでした。
自分では23年間、言われた通りにやってきただけと思っていた店長業務や経理実務。
しかし、トレーナーさんはそれを客観的に見て、事務の枠を超えた組織の運用能力や、ベテランならではの多角的な視点を持つといった強みへと丁寧に変換。
さらに、自分一人では見つけられなかった、転職市場で評価されるための言葉で再定義してくれたのです。
店長として現場に立ってきた経験が事務作業のスキル以上に現場の痛みや空気感を熟知し、魅力的な武器になるということに驚きを隠せませんでしたが、トレーナーさんと対話する中で、自分でも気づかなかった付加価値を認識することができました。
以前利用したことのある職業紹介所では、高圧的な態度で「あんたの経歴じゃ厳しいよ」と突き放された苦い経験がありましたので身構えていたのですが杞憂に終わりびっくり。
トレーナーさんは私の話をじっくり聞き、常に励まし、時に楽しい話を交えながら、二人三脚で伴走してくれました。
さらに効果絶大だったのは、トレーナーさんが作ってくれた4枚の職務経歴書のたたき台です。具体的でプロの視点が光る記述は、本当に自分のことなのかと感じるほど洗練されていましたが、そのおかげで、自分という人間を改めて俯瞰的に見つめ直すことができたんです。
そして、この書類がその後の選考で強烈な威力を発揮することになります。
年収90万円アップ|58歳で掴んだ人生最高の評価
転職活動は、数の戦いでもありました。
自分での応募と、代行していただいた分を合わせると、応募数は100社以上になります。
その中で書類通過は4〜5社。最終的に4社の面接に挑みました。
面接本番では、想定していた質問が来ないことも多々ありました。
しかし、棚卸しを通じて自分の経験を深く言語化できていたおかげで、どんな質問が来ても慌てずに答えることができた結果、2社から内定をいただき、もう1社からも嘱託社員としての打診を受けました。
最終的に選んだのは、拠点を数か所展開しているクリーニング工場の総務です。
決め手は、驚くべきオファー内容でした。
前職の年収から90万円アップで、びっくりしましたね。
これまでの自分のキャリアが初めて正当に認められたのだと確信し、報われた気持ちになりました。
さらに、今後の人生設計において大きな安心材料となったのが定年後の制度です。
こちらも定年は60歳ですが、その後は雇用継続制度があります。そこで戦力として認められれば、60歳を過ぎても現在の条件(待遇)をそのまま継続するという方針を明確に提示されました。
前職で抱いていた、定年後は給与だけが下がるという不安が解消され、高いモチベーションを維持したまま、腰を据えて長く働ける環境に出会うことができたのです。
採用理由を聞くと、事務スキルだけでなく「人柄」や「現場との親和性」を高く評価したとのことでした。
後日届いた採用通知のメールには、事務のスキルだけでなく、私の人柄、そして現場との親和性を高く評価したと記されていました。店長として現場に立ち、泥臭いことも知っている現場感覚こそが、私が23年間で培った唯一無二の武器として相手に届いたのです。
定年という終わりを、第二の人生の始まりへ
現在、新しい職場で経理事務として働き始めて1ヶ月が経ちました。
新しい環境で、まだわからないことだらけの日々に振り回されることもあります。
でも、かつての報われない未来を待っていた時のような焦りはありません。
ライフシフトラボ転職コースで学んだ自分の価値を言葉にする力は、もし万が一、今の場所で何かあっても次に行けるという確かな安心感となって私を支えてくれています。
定年は、「終わりの始まり」ではありません。
もし、かつての私のように自分には価値がない、年齢が壁だと諦めかけている人がいるなら、伝えたいことがあります。
本気で人生を変えたいという覚悟を持って一歩踏み出せば、あなたの経験を高く評価してくれる場所は必ず見つかります。
58歳、私の本当の人生のシフトは、今始まったばかりです。
一歩踏み出すことで、チャンスの神様は必ずあなたの前を通り過ぎるはずです。
それを掴むための知恵と勇気を、私はこの場所で手に入れました。
