子どもの成長、先行きの見えない会社の経営、新型コロナウイルスによる社会の変動など、さまざまな要因により、40代で転職したいと考える人もいるでしょう。

しかし、実際に転職しようにも、転職の成功率はどれくらいなのか、成功率をどのように上げればいいのかに悩んでしまう人も多いはず。実際、厚生労働省の調査によると40代で転職する人の割合は全体の5%と低い水準にあり、積極的に転職できる状況ではないことは事実です。

40代で転職を成功させるためには、どんな準備が必要でしょうか?

厳しいとされる40代の転職の現状とその理由を踏まえ、ポイントを押さえておくことが重要です。

この記事では、40代の転職活動を成功に導くために、以下を紹介します。

  • 40代の転職成功率の現実
  • 40代の転職希望者が多い理由
  • 40代で転職の成功率を上げるポイント
  • 40代が転職以外でキャリアアップする方法

40代の転職成功率は何%?

40代の転職成功率は5%以下

転職成功率といっても「希望した会社に転職できる確率」「どこかの企業に転職を成功させられる確率」など定義はさまざまです。また、条件を下げれば転職の成功率は必然と高まるため、一概に成功率を判断することはできず、成功率のデータもほとんど公開されていないのが現状です。

そこで重要な指標が転職入職率です。転職入職率を見ることで、「実際に転職を成功させた人の割合」がわかります。転職入職率とは常用労働者数に対する転職入職者数の割合で、過去1年以内に他の会社に勤めていた人が入職した割合です。

厚生労働省の令和3年上半期雇用動向調査結果によると、40代の転職入職率は平均で男性が3.0%、女性が4.8%です。男性では約33人に1人、女性では約20人に1人が転職しています。

令和3年上半期雇用動向調査結果をもとに、年代別に転職入職率を比べてみると、40代で転職を成功させた割合は、男女ともに若年層に比べて低い結果です。40代の転職は厳しい状況であることがわかります。

20代30代40代50代
男性10.5%7.3%3.0%2.7%
女性7.8%6.2%4.8%4.4%

なお、全体的に女性の数値が高いのは、一般労働者にパートタイム労働者を含めて計算されるためです。

男女問わず、40代以降の転職は険しい道であると言えるでしょう。以下ではさらに詳しく転職入職率について深ぼっていきましょう。

40代前半の転職入職率は4%

転職入職率は40代前半と後半で数値が異なります。

まず40代前半から見ていきましょう。

令和3年上半期雇用動向調査結果「転職入職者の状況」
参考:令和3年上半期雇用動向調査結果「転職入職者の状況」

令和3年上半期雇用動向調査結果「転職入職者の状況」によると、40代前半の転職入職率は平均で4%です。

男女別では、男性が3.5%、女性が4.5%となっています。

とくに30代後半と40代前半を比べると転職入職率が5.8%から4.5%と、1%以上下落する結果になっています。

40代後半の転職入職率は3.7%

40代後半の転職入職率はどうでしょうか?

令和3年上半期雇用動向調査結果「転職入職者の状況」
参考:令和3年上半期雇用動向調査結果「転職入職者の状況」

40代後半の転職入職率は、平均で3.7%となっています。

男女別に見ると、男性で2.4%、女性で5.0%です。

とくに40代後半の男性において、すべての年代の中でもっとも低い転職入職率であることは注目すべき点です。

男性とは反対に、40代後半の女性の転職入職率は前後の年代に比べてやや上がっています。

40代後半の女性では、パートでの入職率が上がっているために平均が押し上げられた結果となります。

40代の転職活動の平均応募社数は12.4社

40代で転職を成功させた人たちは、何社くらい求人に応募しているのでしょうか。

転職サービス「doda」転職成功者の「平均応募社数」
参考:転職サービス「doda」転職成功者の「平均応募社数」

dodaが調査した「転職成功者の平均応募者数」によると、40代以上の平均応募社数は12.4社です。

40代は転職が厳しいと言われるわりに、20代や30代よりも応募社数が少ないのは驚く点かもしれません。

その理由は、40代に開かれた求人が少ない傾向にあるからです。

40代を求める募集では、マネジメントスキルが必要な管理職であることが多く、企業の中でも数に限りがあるポジションです。

企業はスキルだけでなく、長期間の成長の可能性も見込んで採用します。

そのため、フレキシブルに業務をこなし、吸収力もあって長期にわたって勤務できる20代30代の募集が多くなるのです。

募集されるポジションそのものが少ないため、競争率が高くなり、内定を得ることがより厳しくなると考えられます。

成功率が低いのに40代の転職希望者が多い理由

40代の転職状況は厳しいにもかかわらず、なぜ、40代で転職を希望するのでしょうか?

40代はキャリアが積み上がったと感じやすく、プライベートも含めて人生の後半が視野に入ってくる時期でもあります。

ここでは、40代が転職を考える要因を解説していきます。

給料が上がらない

給料に対して不満があり、収入アップを目指して転職を希望する人は少なくありません。

40代ともなると結婚して子どもを持つ人もいるので、教育費の増加により、家計に不安を感じやすくなります。

また、老後の生活も視野に入ってくるため、将来への備えを整える必要性にも迫られます。

昨今では業績悪化によって給料が上がらない、または給料カットを余儀なくされる事態も他人事ではありません。

仕事を頑張っても、評価されず給料が上がらないと感じれば不満を抱きやすくなります。

人間関係に悩みがある

40代では職場での人間関係に難しさを感じる人も少なくありません。

令和3年上半期雇用動向調査結果「転職入職者が前職を辞めた理由」によると、退職の理由として、「職場の人間関係が好ましくなかった」が多くなっています。

令和3年上半期雇用動向調査結果「転職入職者が前職を辞めた理由」
参考:令和3年上半期雇用動向調査結果「転職入職者が前職を辞めた理由」

とくに40代男性では他の年代に比べて、人間関係に不満を持って辞めた人が多いことがわかります。

さまざまなハラスメント問題、いじめ、気難しい上司、手に負えない部下など、職場での人間関係の悩みは尽きません。

40代ともなれば上司と部下に挟まれることも多くなり、よりストレスを感じやすくなります。

職場のさまざまな人間関係に耐えきれずに転職に踏み切る、という決断を下すのです。

会社の将来が不安

40代ではマネージャーのような管理職を担うことも多く、経営陣の存在を近く感じるようになります。

「会社の経営状況はどうなのか」「それに対してどのように舵をとっていくのか」など、経営陣の意見を直接的に聞く機会が増えます。

自分の考えが経営陣に賛同できれば使命感を持って業務に取り組めますが、不信感を抱くような考えであれば、会社の将来に希望を持てません。

会社の将来性が不透明で今後の成長が期待できないと考えるようになると、現状に疑問を持つのは自然な流れと言えます。

会社の経営方針は簡単に変えられないので、自分と会社の価値観が乖離してしまった結果、転職の道を選ぶ人が多くなります。

仕事がマンネリ化している

40代になると仕事におもしろさを感じられず、マンネリ化しやすくなります。

経験値が高くなればなるほど、新鮮味のある仕事は少なくなり、どの仕事も同じように感じてしまうのです。

長く勤めている会社でいつも同じメンバーで仕事をしていると、刺激が少なくて変化のない環境がマンネリ化するきっかけになります。

また、頑張っているのに期待した評価を得られない場合、モチベーションが下がります。

「ある程度のレベルで仕事をこなせばよい」と考えるようになるため、仕事がつまらないと思ってしまうのです。

「仕事がマンネリ化していてつまらない、つらい」という状況に陥ると転職を考えるようになります。

キャリアアップをしたい

「これまでの経験を活かしてキャリアアップしたい」という高い成長意欲から転職を考える人もいます。

キャリアアップには、昇進・年収アップ・専門性向上・知見の拡張などの方向性が考えられます。

40代ともなると、50代または定年までのキャリアプランを思い描いていることでしょう。

「プラン達成のための昇進や昇給は見込めない、仕事の幅を広げられない」などの不満があるとモチベーションの低下にもつながります。

40代はまだまだ能力を向上させ、自分の市場価値を高められる年代です。

現職では長期的・中期的ビジョンを達成することが難しい場合は、転職によってキャリアアップを成し遂げるのもがひとつの選択肢になります。

40代で転職の成功率をあげる7つのポイント

40代で転職の成功率をあげる7つのポイント

40代の転職で成功する人には、どのような特徴があるでしょうか?

ポイントを押さえて事前にしっかり準備することで、転職を成功させられます。

ここでは、転職成功率をあげるための7つのポイントを紹介します。

ポイント1:40代の転職市場を把握する

40代を対象とした求人は、20代30代に比べて多くありません。

なぜなら、管理職レベルの高度な専門的スキルや豊富な経験が求められるため、求人の数そのものが少なくなるからです。

20代・30代であれば、今後の成長が期待できる人材を確保するための採用において、ポテンシャルが重視されます。

すぐに結果を出せなくても育成期間を経て、将来的に会社へ貢献することが期待されます。

40代となると、成長のための時間は与えられないと考えるべきでしょう。

入社後すぐに役立つことができ、数ヶ月後には大きな成果を上げられるような即戦力が求められるのです。

狭き門ではありますが、希少なポジションであることが多く、転職で成功を勝ち取れれば昇進や年収アップ、さらなるスキルアップが見込めます。

ポイント2:転職しやすい業界に応募する

40代での転職では即戦力を求められるため、同業界または同職種が有利になります。

反対に、未経験の分野へチャレンジしたい場合は人手が足りていない業界や職種を狙いましょう。

調査によると、入職者数が多い順に「医療、福祉」、次いで「卸売業、小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」となり、これらの需要が高いことがわかります。

つまり、こういった業界では未経験でも今までのスキルを活かして会社に貢献してほしいという期待から、40代であっても採用されやすくなると考えられます。

経験のある分野だけでなく、転職しやすい業界も狙い目です。

ポイント3:自分のキャリアの棚卸しをする

40代の転職では、将来性を見込める20代、30代とは異なり、これまでの具体的な実績が問われます。

「これまでにどんな結果を出してきたのか」「そのためにどうアプローチしたのか」などを面接官にわかりやすく伝える必要があります。

そのために必須となるのが「キャリアの棚卸し」です。

経歴や職務内容を書き出しながら、「どんな姿勢や意識で取り組んだのか」「どんな工夫を施し、何を身につけられたか」まで洗い出しましょう。

その過程で、自分の長所と短所、得意不得意や向き不向きなどを明確にできます。

面接で具体的な事例や仕事に対する価値観について問われても、自信を持って答えられるように準備しておくことが大切です。

ポイント4:専門的なスキルや経験をつむ

40代の転職では、将来の成長への期待ではなく、すでに身につけている専門的スキルやマネジメント能力が求められます。

さらなる高みを目指す場合、具体的な数字を語れる経験だけでなく、業務の幅を広げられる資格取得が強みになります。

一例を挙げると、業界や業種を超えて武器になるのはビジネスレベル以上の英語力です。

下記の表によると、TOEICで860点以上のスコアを持つことが「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」とされています。ビジネスマンの英語力の指標となるTOEICで860点以上を目指しましょう。

一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」
参考:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」

厳しい40代の転職では、専門的なスキルや経験にプラスとなる英語力は、他の候補者と差をつけるために有利に働くスキルと言えます。

ポイント5:企業が求めている人材像を理解する

40代で転職を成功させるためには、希望する企業のことを充分に知って戦いに挑む必要があります。

求人内容からできるだけ情報を読み取り、企業がどんな人物を求めているのか、以下の項目など事前にしっかり把握して選考へ進みましょう。

  • どのレベルのスキルが求められているか
  • どんな実務経験が必要とされているか
  • 企業とのカルチャーフィットは重視されるのか

スキルや経験だけでなく、企業との価値観が合うかどうかも大切なポイントです。

入社後に「企業文化が合わない」「既存のスタッフと折り合いが悪い」という事態にならないために、求人内容や面接をとおして相性を見極めましょう。

ポイント6:転職サイトに登録し求人情報をチェックする

転職活動をスタートさせる最初のステップとして、複数の転職サイトへ登録し、求人情報をチェックすることをおすすめします。

40代の転職におすすめのサービスを5つピックアップしました。

転職サイト特徴求人数
ビズリーチハイクラス転職年収1,000万円以上の求人が3分の1以上
リクルートダイレクトスカウトハイクラス転職年収800万円〜2,000万円の求人多数
ミドルの転職ハイクラス転職登録者の平均年齢45歳30代40代のミドル専用
doda豊富な求人数転職者満足度No.1
リクルートエージェント豊富な求人数転職支援実績No.1

情報を広く得るためにも、特徴が異なる転職サイトへ登録することをおすすめします。

公開されている求人を探す場合は、業種・職種や勤務地、労働形態などを入力し、年代も検索条件に含めてヒット率を高めましょう。

ポイント7:転職エージェントを活用する

転職サイトの情報だけでは不安な場合、転職エージェントを利用するのもおすすめです。

転職エージェントの特徴は、転職希望者と企業をマッチングさせることです。

登録するとキャリアアドバイザーとの面談があり、その後に希望する求人を紹介してくれます。

転職エージェントは、求人の紹介だけでなく、下記のようなサポートもあるので安心して選考を進めらます

  • 選考書類のチェック
  • 企業についての情報提供
  • 面接スケジュールの調整
  • 給与交渉
  • 入社日の調整

複数の転職エージェントを利用してみることで、自分に合うエージェントを見分けられ、信頼できるキャリアアドバイザーと出会う可能性が広がります。

転職以外のキャリアアップ法 3選|成功率が低い転職に頼らなくてもいい!?

40代では今後のさらなるキャリアアップのために転職を検討する場合が多いですが、それ以外の方法はないのでしょうか?

転職せずにキャリアアップできる方法をご紹介します。

異動願いを出し別の仕事にチャレンジする

今後のキャリアアップを目指す場合、まず今の会社で新しい仕事ができないかを検討しましょう。

会社そのものに大きな不満がないのであれば、無理に転職せずに部署移動を検討することをおすすめします。

チャレンジしたい部署があれば、自分の希望を会社側へ伝えるために異動願いを出してみましょう。

しかし、異動を願い出る前にはそれなりの準備も必要です。

仕事に対してモチベーションがあり、異動先の部署で必要なスキルがあると、異動を認めてもらえる可能性が高くなります。

自分のキャリアプランや会社の将来性を踏まえ、これから会社へどのように貢献していけるのか、自分の目指す姿を具体的に上司や人事へ伝えられるように準備しておきましょう。

複業(副業)を始めて社外で活躍する

転職ではなく、複業(副業)することでスキルを磨いてキャリアアップするのもおすすめです。

複業(副業)には下記のようなメリットがあります。

  • 複業(副業)に対する向上心が仕事そのもののモチベーションアップにつながる
  • 新しいスキルを得ることは将来のリスクヘッジになる
  • 複業(副業)によって人間関係が広がる

経験分野に関連する複業(副業)であれば、新しい視点や技術によって本業での活躍の幅が広がり、好条件な転職につながる可能性もあります。

複業(副業)によって会社以外の活動で得られた経験は、直接的でなくても必ずキャリアの後押しになります。

キャリアアップを目的にした複業(副業)を選ぶ際には、収入にこだわらずに「自分が求めるスキルが獲得できるか、目標に近づけるか」を基準に検討しましょう。

起業して会社を経営する

会社に属さず、起業して自分で会社を経営するという方法もあります。

リスクをともなう危険性もありますが、自分の力でビジネスを動かすという経験によって得られるスキルは何ごとにも変え難い価値になるでしょう。

会社を経営するということは、意思決定の連続です。

どんなに知識があっても、実際に動かしてみなければわからないこともたくさんあり、その繰り返しで経営力を磨いていけるのです。

起業に際しては自分だけでできる業務には限界があります。

相談できる人、頼れる人、新しい情報をくれる人、など必要に応じて人間関係の輪が広がっていきます。

起業して会社を経営することは、飛躍的にキャリアアップできる方法と言えるでしょう。

まとめ

40代の転職は成功率が低く、簡単に希望を叶えられる状況ではないと言えます。

厳しい挑戦であることを理解し、40代でも転職を成功させるためのポイントを押さえて万全に対策を練ることが重要です。

そのためには40代の転職市場を知り、自分のキャリアとスキルの棚卸を入念に行い、企業が求める人物像を把握しましょう。

そして、転職サイトや転職エージェントを活用した効率のよい情報収集が大切になります。

ポテンシャルが期待される20代30代とは違い、40代では自分の強みをはっきり伝え、いかに会社へ貢献できるかを明確にアピールしなければなりません。

40代だからこそ戦略的に転職活動し、成功を勝ち取りましょう。

【無料】複業入門講座&個別説明会を実施中!

ライフシフトラボは、転職や複業、独立起業など、45歳からのキャリア自律に特化した実践型のビジネススクールです。

人材業界に精通するキャリアコーチが、あなたの豊富な経験を活かせる複業活動に伴走します。キャリアや経験を棚卸し、強みの打ち出し方、案件獲得ノウハウまで体系的に学び、実践できます。

いまなら無料の複業入門講座&個別説明会を実施中です。