自信が持てなかった「何でも屋」キャリアこそ、私の強みだった

今回インタビューに答えてくださったSさんは、勤めていた会社の事業縮小をきっかけに転職活動を始めました。まずはインターネットで情報収集をしようといろいろ検索したところ、目にする情報は「40代後半の転職は厳しい」というような、不安を煽るものばかり……。

厳しい転職活動を成功させるには自己分析や書類作成など下準備が重要だとはわかっているものの、これまで何か一つの職種を極めた経験もなく、「何をアピールすればよいのか全然わからなかった」というSさん。

そんなSさんはライフシフトラボ転職コース受講の結果、自分の強みを活かして未経験ながら、倍率の高いメーカーの総務職への転職を決めました。「自信が持てずにいた『何でも屋』のキャリアが実は強みだと気付いた」と語るSさんは、ライフシフトラボをどのように活用されたのでしょうか。

プログラム受講中のトレーナーとの関わりや、転職先の企業から評価されたSさんの強みなど、詳しく伺いました。

まず、転職を考えたきっかけを教えていただけますか。

もともと中国で14年間、プロダクト系の会社の顧客窓口を担当していました。その後日本に帰国し、ここ4年ほどは同じ会社の日本本社にてEC管理の仕事をしていました。

そのうち新型コロナウイルスの流行や半導体不足などが発生し、会社の売上が減少してしまって。私が所属していた日本本社を撤退する話が持ち上がったことが、転職のきっかけです。

ご自身ではどのように転職活動を進めていらっしゃったのですか。

インターネットで「48歳 女 転職」とキーワードを入れて検索し、そこで出てきたブログや動画などを見て情報収集する程度でした。ただそうやって検索して出てくる情報はどれも、「この年齢になると転職は厳しい」「転職エージェントに登録しようとしても年齢で断られる」など、不安が募るようなものばかりで……。

どうすれば良いか、という具体的な解決策はどこを探してもみつからなくて、「この年齢での転職は難しいらしい。どうしよう」という思いだけが膨らんでいた状態でした。

特に不安を感じていた部分はありますか。

以前にも転職活動の経験はあったので、まずは自己分析が大事だとはなんとなくわかっていました。でも、具体的にどうすればよいかわからないし、そもそも新しい会社に入って私ができることって何なんだろうという思いがありましたね。

私はいわゆる「何でも屋」のキャリアを歩んできました。例えば経理を10年やってましたとか、総務一筋ですとか、そうした何か一つに特化したスキルや経験がなくて。広く浅くいろいろと経験してきたため、「あなたは何ができるのですか」と言われたときに「私はこれができます」と自信を持って言えることがなかったんです。そのため、どのような企業や職種を転職先に選んでいいかもまったく見当がつかないような状態でした。

そのような状況でライフシフトラボに申し込んでくださったのですね。受講を決めたのは、どのような理由でしたか。

自分一人での転職活動は完全に行き詰ってしまっていたので、自己分析の方法や転職先の選び方などを一からサポートしてくれるサービスがないかと調べていました。そのときに出会ったのがライフシフトラボです。それまでこうしたサービスは自分よりも若い世代向けのものがほとんどだと思っていたので、45歳以降を対象にしたサービスがあると知ってとても興味を持ちましたね。

前の会社を退職する時期もすでに決まっていましたし、このまま一人で転職活動を進めても100%上手くいかないと感じていたこともあり、ライフシフトラボの受講を決めました。

受講開始後はどのようにプログラムが進んでいきましたか。

最初にこれまでのキャリアや自分の強み、これからなりたい姿などの棚卸しをして、その後は実際に求人を探して応募を進めていきました。

そもそも自己分析に苦手意識があってライフシフトラボを受講したこともあり、プログラムが始まってからもなかなか思うように進まない場面がありました。もどかしさを感じることもありましたが、トレーナーの直井さんが寄り添ってくれながら、私の経験や強みをしっかりと引き出してくれたのはありがたかったですね。

求人を探す段階では行動量が大切だと思い、自分で求人サイトを使って探したり、トレーナーから紹介してもらったり。あとは転職エージェントに登録をしたりと、いろいろなルートを駆使して自分に合う仕事を探しました。

トレーナーの関わり方について、具体的に伺えますか。

一つ一つの求人の募集内容を見ながら、「この企業に対してはこうやってアピールするとよいですよ」「この募集内容であれば、Sさんのこの経験が強みになります」など、時間をかけて丁寧に書類作成のサポートや面接対策を行ってくれました。

自分だけだとどうしても自信を持てないところがありますが、プロの目線から見た客観的なアドバイスをいただけたことがとても心強かったですし、自信を持って選考に臨むことができました。

トレーナーのサポートが転職活動の支えになったのですね。

そうですね。選考に関するアドバイスはもちろんですし、何か困ったときに気軽に相談ができたのも非常にありがたかったです。例えば面接にはどのような服装で臨めばよいのかとか、気になるけれどわざわざ質問するのは少し気が引けるようなことも、トレーナーになら遠慮せずに相談できたんです。転職活動中ずっと、「私にはライフシフトラボのトレーナーがついている」と思えたのはすごく心強かったですね。

もちろん、転職エージェントにも同じように相談をして差し支えないとは思います。ただ私の性格的に、自分は決して市場価値が高い人材でもないし、こんな簡単なことを聞くと呆れられるのではないかと遠慮してしまって。エージェントは多くの求職者を抱えているため、私はあくまでも大勢いる求職者のうちの一人だなと感じてしまうんです。もちろんそれが当たり前ですし、悪いことだとは思いません。

ただ、ライフシフトラボのトレーナーは私を一人の人間としてしっかり見てくれている感覚があったので、心を開いていろいろと相談できた点が私には合っていたと思います。

トレーナーからの言葉で、印象に残っていることはありますか。

いつも褒めて励ましてくれたことですね。笑顔だったり、元気のよさだったりを「Sさんの良いところですね」と言ってくれました。あまりにも褒めてくれるので、ちょっとこそばゆかったくらいです(笑)。

もちろんこれまでも親や友人に褒めてもらう機会はありましたが、その瞬間だけ「嬉しいな」と思って終わりでした。でもトレーナーはキャリアの棚卸しをしたり面接対策をしたりとずっと私を見てくれていた人なので、私をちゃんと知ったうえで褒めてくれているというのがすごく自信になりましたね。

もしトレーナーの言葉がなかったら、面接で上手くいかない瞬間が出てきたときにパニックを起こしてしまっていたかもしれません。トレーナーが「笑顔や元気なところが良いですね」と言ってくれていたから、面接中に何があっても元気よく笑顔でいることだけは忘れずにいこうと思うことができました。

ともすれば転職活動は孤独な作業になりがちですが、私という人間をしっかりと理解して伴走してくれる存在がいたことが、今回の転職活動の結果につながったと感じています。

トレーナーの支えを糧に、見事に内定を獲得されたんですね。転職先について教えていただけますか。

燃料系部品の製造・販売を行う、100名程度のメーカーの総務として働いています。上司や経営陣と一緒になって会社の改革を進めていくことが求められていて、属人化している仕事を洗い出してIT導入や簡素化などの改善を行うのが私の役割です。

一般的な総務のイメージとは少し違う印象を受けます。

そうですね。面接の時に、私が「総務の立場から会社に貢献するような、経営的な視点で働ける人材になりたいです」とお伝えした点と、先方が求める人物像がマッチして採用に至ったと伺っています。そもそも私、これまで総務の経験はないんですよ。ただ前職もそれほど規模は大きくなく、社長と一緒に社外・社内を問わず関係者と連絡調整したりトラブル対応をしたりというような経験を多く積んでいたんです。

そうした経験に対して、「この人は肝が据わっているはず」と感じてもらえたことと、課題が多く日々状況が移り変わるような環境でも長く働いて成果を出した経験を評価していただきました。

「総務」という職種で考えると未経験だけれど、会社が期待する役割とご自身のこれまでの経験がぴったりマッチしたのですね。

自分では自信を持てずにいた「何でも屋」が強みになったんですよね。トレーナーからも、「総務自体は未経験だけど、実際に経験した業務を考えると絶対にできる仕事内容なので、謙遜せずにお伝えしましょう」とアドバイスをもらっていました。

例えば募集内容に書いてあった「イベント企画・運営の対応」は、私は経験がありません。でもトレーナーから「100名の忘年会の企画をした経験がアピールできますよ」と教えてもらって。ぴったりの経験がなくてもアピールできることがあるというのは、目から鱗でした。こうした視点は自分で自己分析をしていたら絶対に気付けなかったと思います。トレーナーがいてくれたからこそですね。

最後に、どのような人にライフシフトラボの受講をおすすめしたいですか。

私のように「自分には何もない」と自信を持てない人に、ぜひおすすめしたいです。実は私、ライフシフトラボに申し込むときに「何もない私がプログラムを受講しても意味がないんじゃないか」と心配していたんです。

でもトレーナーに伴走してもらいながら転職活動を進めていくうちに、少しずつ自分に自信が持てるようになっていきました。それに、私は自分に何もないと思っていたけれど、周りから見たらそうでもなくて。実際に転職先の企業では、私の何でも屋の経験を評価してくれました。何か一筋で何十年もやってきましたという人よりも、幅広くいろんなことをやってくれる人を求めていて、そういうところに私がマッチしたんです。今回の転職を通して、自分が「何か一つのことを極めていなければダメだ」という価値観に縛られていたのだと気付くことができました。

だから、今は私のように「自分には何もない」と思っている人でも、ライフシフトラボの受講を通して必ず何か強みはみつかるし、自信になっていくと思うんです。一人一人と目線を合わせて、その人に合った転職活動の戦い方を教えてくれるので、心配せずにぜひチャレンジしてほしいですね。