40代になると、新たなキャリアを築くために、資格を取得して人生をやり直したいと考える人も少なくないでしょう。「いままでのキャリアや経験を活かした資格を取得したい」「他業界・異業種に転職するために資格を取得したい」など、40代が資格を取得したい理由はさまざまです。

では、40代で人生やり直しを考えたとき、どのような資格を取得するのがよいのでしょうか。キャリアプラン別に役立つ資格の具体例や、資格を選ぶときのポイントを解説しています。

この記事の監修:勝田健氏
スタートアップ企業に特化した転職エージェントに従事。大手VCと連携し、累計約100名のCxOポジションに紹介実績あり。転職エージェント歴22年。スタートアップ業界の豊富な人脈(VC・起業家・CxO)と知見が強み。個人の「WILL」をベースとしたキャリア支援実績は累計2000名以上。スタートアップ企業の採用支援経験を活かし、自らも複業(結婚相談所・採用コンサルティング・新規事業起ち上げ支援)を実践。幅広い業界・サービスのビジネスモデルを熟知。

40代で人生やり直しのための資格を選ぶ5つのポイント

40代で人生やり直しのための資格を選ぶ5つのポイント

40代で人生やり直しを考えるとき、まず「どのような資格を取得をするのか」を考えて行動するのが大切です。資格を選ぶ際に気をつけるべき5つのポイントをお伝えします。

どのくらいの時間や費用がかかるか

資格の勉強をする前に、事前に資格取得にどのくらいの時間や費用がかかるのか調べておきましょう。資格取得にかかる時間や費用を事前に調べておかないと、費やした勉強時間やかかった費用が大幅なロスになってしまう可能性があります。

例えば、資格取得時間ランキングによると、司法試験に合格するために必要な想定時間は約20000時間といわれています。

働きながら合格を目指すとなると勤務時間の8時間、睡眠時間や食事など日常生活に使う時間の8時間を除いても、1日のうち勉強に使える時間は8時間です。想定取得時間から逆算すると、毎日勉強しても2500日かかるので、約7年かかる計算です。

また、資格取得には費用がかかります。独学する場合は参考書代が発生し、スクールに通う場合も受講費用がかかってきます。特に士業系の資格は費用が高いため、コストがかかるのです。

資格の難易度(合格率)が適切かどうか

資格を選ぶ際、取得したい資格の難易度が、自分にとって適切かどうか判断することも重要です。難易度が高い資格を時間をかけて取得したとしても、取得後に生かせなければ意味がありません。

資格の難易度が適切かどうか判断するとき、合格率だけでなく、「受験人数」のデータも参照しましょう。資格のなかには「受験資格」が課せられているものもあります。同じ合格率でも「どのような人」が「何人受けたか」で難易度は変わるため、総合的に判断しましょう。

自身のキャリアプランに合致しているかどうか

取得したい資格が「自分自身が考えるキャリアプランに合致しているかどうか」を考え、情報収集することも大切です。人生やり直しを考えているなかで、キャリアプランに必要な資格と異なるものを取得するのは、目標達成の遠回りになってしまいます。

40代が資格を生かす目的は転職や副業、独立などさまざまです。企業に属しながら活かせる資格は何か、独立するために役立つ資格はどのようなものかなど、「資格を生かして何がしたいのか」考える必要があります。

FPであれば資格取得後、資産運用をはじめとするライフプランのコンサルティングを独立系FPとして提供できます。目的に合わせて、必要な資格を取りましょう。

独占業務があるかどうか

独占業務があるかどうかを参考に、取得する資格を検討していくのもよいでしょう。資格のなかには、業務独占資格があります。業務独占資格とは、資格を取得している人だけが独占して業務をおこなえる資格です。

資格を取得していない人が独占業務をおこなうと、法律違反になります。特別な知識やスキルも必要とされ、試験の難易度が高いのが特徴です。専門性が高く難易度も高い傾向のため、資格を取得することで、一目置かれる人材になります。

税理士であれば、税務の代理や税務書類の作成、税務相談が独占業務になります。税理士以外がこれらの独占業務をすると、税理士法違反になり、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられるのです。

社会のニーズがあるかどうか

資格を取得するとき、社会のニーズがあるかどうかもポイントです。資格取得には時間やお金がかかるため、どの資格を取得しようか悩んでいる場合、ニーズが多い資格を取得することで生かせる場面が増えてきます。

40代の転職では、ニーズがある経験やスキルを所持しているかどうかが重視されます。社会のニーズがある資格を持っていることで、履歴書や職務経歴書のアピールポイントとなり、転職にも有利になるのです。

現在は、IT業界のニーズが高い傾向です。経済産業省による IT人材需給に関する調査 によると、2030年にIT人材は約79万人不足すると言われています。ニーズのあるIT系の資格を取得して、転職成功を目指しましょう。

40代で資格を取るときの注意点

40代で人生やり直しを考えている人は、さまざまな観点から自分に適した資格を選んでいかなければなりません。では、実際に資格を取得するときどのような点に注意すべきなのか、解説していきます。

資格取得を1番の目的にしてはいけない

資格取得は、あくまで自分の理想を叶えるための「手段」なので、1番の目的にしてはいけません。なぜなら、資格さえ持っていれば転職できるといった保証はないからです。

40代での転職は資格を取得するよりも、いままで培ってきた経験や、スキルが評価されます。資格以外のOAスキル(WordやExcel、PowerPointなどの操作技術)やコミュニケーションスキルなど、総合的な能力が評価されることで、希望する企業に転職できるのです。

資格を取るまでの目標期間を決める

資格を取得するまでの目標期間を決めておきましょう。資格取得をするためには、いつまでに目標を達成させたいのか、期間を明確にしておく必要があります。

期間を決めておかないと目標の達成が先延ばしになり、資格を取得しても活かせる場面が少なくなります。資格に必要な勉強時間を逆算して、目標を立てていきましょう。

資格マニアになってはいけない

資格取得を目指す人のなかには、資格を取ることが楽しくなり、資格マニアになってしまう人もいます。資格マニアになって所持する資格を増やすだけでは「人生やり直し」を目標にする場合、あまり意味がありません。

意味もなく資格を取得していくのではなく、自分のキャリアプランに合わせて、取得する資格を選定しましょう。

資格をとったあとのキャリアプラン|転職だけじゃない

資格をとったあとのキャリアプラン|転職だけじゃない

自分がどの資格を取得したいかを決めたら、資格を取得したあとのキャリアプランを考えておくとよいでしょう。資格取得後のキャリアプランを考えておくことで、モチベーションを保ちながら資格取得の勉強に専念できます。

今回は3つのキャリアパターンを紹介します。

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転職する

1つは、資格取得後に転職するキャリアです。さらなるキャリアアップや、いままでの経験を生かして仕事の幅を広げていきたい人におすすめです。転職を検討している場合、事前に自分のキャリアビジョンを思い描いておくとよいでしょう。

キャリアビジョンを描いておくことで、現在の自分が備えておくべきスキルや知識が見えてきます。キャリアビジョンに沿って、必要と思う資格を取得しましょう。

英語を生かしてキャリアアップしていきたい人は、TOEICの資格を取って転職するのがおすすめです。資格を取得することで、転職先で海外出張や海外赴任するチャンスが増える可能性があります。

40代の転職は決して簡単ではありません。資格取得後に転職を成功させるためにも、キャリアの棚卸しや自己分析など、転職するための準備をしっかりとおこないましょう。

副業(複業)をする

2つ目は、副業(複業)に挑戦するキャリアです。転職するだけでなく、いままでの経験やスキルを「副業(複業)」というかたちに還元するのもひとつの選択肢になります。

副業は、本業と別に収入源を確保できたり、スキルアップを目指したりできるのがメリットです。いままでの経験やスキルに関連するものだけではなく、新たに学びはじめた分野の資格を取得して副業に生かすのも、キャリアのひとつです。

副業でライターとして活躍したいと考える人は、FPの資格を取ることで、金融の専門性があるライターになれます。

独立起業をする

3つ目は、資格を取得して独立起業をするキャリアです。独立起業を視野に入れている人は、独占業務ができる資格を取得するのがおすすめです。独占業務がある資格は専門性が高いため、需要に対して資格保持者は限られます。

企業が抱える問題を解決したいと考えている人は、中小企業診断士の資格がおすすめです。中小企業診断士を取得することで、独立するキャリアも見えてきます。

独立起業するためには、資格を取得するだけではなく、人脈づくりにも力を入れていきましょう。人脈を築いておくことで顧客を獲得できたり、業界の情報を集めたりできます。

起業して目標を達成させたい人や、蓄積してきたノウハウを生かして挑戦してみたい人は、独立起業に挑戦してみるのもよいでしょう。

40代の転職に役立つ資格

前の章では、資格を取得したあとのキャリアプランを紹介してきました。では、実際に40代の転職に役立つ資格はどのようなものが挙げられるのでしょうか。ここでは、3つの資格について解説していきます。

TOEIC

試験名TOEIC® Listening & Reading Test 
受験資格年齢、学歴に関係なく、誰でも受験可能
試験日程毎月2回(同日の午前・午後)/日程は公式HPを確認
試験形式マークシート方式(リスニング&リーディング)
合格率【第291回、2022年3月実施分】603.4点
受験料7810円(税込)

TOIECとは世界160カ国、約14000の企業・教育機関で利用されている資格です。リスニング(約45分間・100問)・リーディング(75分間・100問)の合計約2時間、全200問のマークシート方式で実施されます。

テスト結果は合格・不合格で判断されるのではなく、10〜990点の「スコア」で通知されます。TOEICのスコアは昇進や昇格、海外出張・赴任者の選抜の参考にする企業もあるため、英語を使って活躍していきたい人におすすめです。

日商簿記

試験名日商簿記検定試験
受験資格年齢、学歴に関係なく、誰でも受験可能
試験日程年3回(例年2月・6月・11月)
試験形式記述式(級ごとに試験時間・内容は異なります)
合格率【第159回、2022年実施分】1級 10.2%/2級 30.6%/3級 27.1% 
受験料1級 7850円/2級 4720円/3級 2850円(すべて税込)

簿記とは日本商工会議所が実施する資格で、年間で約60万人が受験します。経営活動の記録や計算、整理をおこない、経営成績と財政状態を明らかにする技能を証明できる資格です。

簿記を理解することで会計知識だけではなく、財務諸表の読み方、基礎的な経営管理や分析力が身につきます。取引先の経営状況も把握できるようになるため、経理担当者だけではなく、すべての社会人に役立つ資格です。

公認会計士や税理士などの国家資格を目指す人や、他の資格・検定と組み合わせてキャリアアップを考えている人には必須の資格といえます。

宅地建物取引士

試験名宅地建物取引士資格試験
受験資格年齢、学歴に関係なく、誰でも受験可能
試験日程年1回(例年10月の第3日曜日)
試験形式50問・四肢択一式による筆記試験
合格率【2021年10月実施分】17.9%
受験料7000円(非課税)

宅地建物取引士は「宅建」とも呼ばれ、宅地建物取引業法にもとづいて、都道府県知事が実施する試験です。毎年20万人前後の受験者数を誇る国家資格で、資格を取得すると不動産取引の専門家の証明となります。

不動産の売買や仲介をする場合、従業員5人につき、1人以上の宅建士の設置が義務付けられています。また、不動産に関する重要事項の説明は、宅地建物取引士の資格を所持していないとできません。

不動産関連業界への転職に有利になるだけではなく、建築会社や金融機関、全国に支店を展開する大手企業、IT業界でもニーズが高まっています。

40代の副業(複業)に役立つ資格

40代が人生やり直しするためには、転職に生かせる資格だけではなく、副業(複業)としても活用できる資格の取得もおすすめです。この章では、副業(複業)に役立つ3つの資格を紹介していきます。

ファイナンシャルプランナー

試験名FP技能検定
受験資格​​3級/FP業務に従事している者または従事しようとしている者
(FP業務……資産の設計・運用・管理およびこれらに係わる相談業務、コンサルティング業務)
2級/下記いずれかに該当する者・日本FP協会認定のAFP認定研修を修了した者
(修了証明書の保持者)・3級FP技能検定の合格者、金融渉外技能審査3級(旧審査試験)の合格者・FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
1級/下記いずれかに該当する者・2級技能検定合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者・FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者・厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者
試験日程2級・3級/年3回(2022年度は、5・9・1月開催)
1級/年1回(2022年度は、9月開催)
試験形式3級/学科(マークシート形式)・実技(マークシート形式)
2級/学科(マークシート形式)・実技(記述式)
1級/実技(記述式)※「択一」「語群選択」「空欄記入」「論述」の各形式を含む
合格率【2021年9月実施分】
3級/学科試験 84.69%/実技試験 80.50%
2級/学科試験 50.56%/実技試験 60.26%
1級/93.8%
受験料3級/学科試験 3000円(非課税)/実技試験 3000円(非課税)
2級/学科試験 4200円(非課税)/実技試験 4500円(非課税)
1級/20,000 円(非課税)

ファイナンシャル・プランニング技能検定(以下FP技能検定)は、日本FP協会が実施する国家検定です。学科試験と実技試験の両方に合格すると合格証書が発行され、等級ごとに「ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗れます。

学科試験もしくは実技試験のいずれかに合格した場合でも、合格した試験実施日の翌々年度末までに限り、合格している試験が免除になります。

資格を取得すると、お金の専門家として副業でコンサルティング業務が可能です。また、知識を生かしてお金に関する記事の執筆や監修として携わることもできます。

キャリアコンサルタント

試験名 キャリアコンサルタント試験
受験資格 ​​・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
・労働者の職業の選択、職業生活設計または職業能力開発および向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験または実技試験に合格した方
試験日程 年3回(2022年は、3・7・11月開催)
試験形式 学科(筆記)・実技(論述、面接)試験
合格率 【第18回 2021年度】学科試験 79.0%/実技試験 57.0%
受験料 学科試験8900円、実技試験29900円(いずれも税込)

キャリアコンサルタントは、2016年4月より新たに創設された国家資格です。登録制の名称独占資格とされ、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されています。学科と実技の両方に合格した人だけが、キャリアコンサルタントと名乗れます。

人事や採用部門への転職や、資格を生かした副業(複業)、独立などのキャリアアップの足がかりとして取得をする人も多い資格です。

資格を取得することで企業内で従業員のキャリアを支えたり、大学のキャリアセンターで就職活動中の学生を支援したりできます。ハローワークや人材紹介会社に勤めた場合は、一般の求職者の支援者として資格を生かせます。

社会保険労務士

試験名社会保険労務士
受験資格​​学歴・実務経験・厚生労働大臣の認めた国家試験合格の3つに分けられ、この中のいずれか1つを満たしている必要があります。
試験日程年1回(2022年度は、8月開催)
試験形式「選択式」と「択一式」(マークシート方式)
合格率【2021年実施分】7.9%
受験料15000円(払込みに係る手数料は受験申込者負担となります。)

社会保険労務士は、社会保険労務士法にもとづいた国家資格者です。企業や個人事業における人事労務管理業務は、社会保険労務士の独占業務になります。採用から退職までの「労働・社会保険に関する問題」や、「年金の相談」など、業務内容は広範囲です。

資格を取得した人は、社会保険労務士事務所や企業の人事部、総務部などに転職するケースが見られます。また、各種補助金申請のサポート業務や専門分野に関連する執筆などを副業にする人も多い資格です。

40代で独立に役立つ資格

いままで積み重ねてきたノウハウを生かしたい人は、独立する道を視野に入れて資格を取得するのもよいでしょう。この章では、40代が独立する際に役立つ資格を3つ紹介します。

中小企業診断士

試験名中小企業診断士試験
受験資格​​年齢、学歴に関係なく、誰でも受験可能
試験日程第1次試験/年1回(2022年は、8月開催)
第2次試験/年1回筆記試験(2022年、10月開催)口述試験(2023年、1月開催)
試験形式第1次試験/多肢選択式による筆記試験
第2次試験/筆記試験、口述試験
合格率【2021年度】
第1次試験 36.4%
第2次試験 18.3%
受験料第1次試験/14500円 (令和4年度から改定)
第2次試験/17200円 

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対し、診断・助言をおこなう専門家です。専門知識を持って、企業の成長戦略の策定のアドバイスやコンサルティングをおこないます。

中小企業診断士は、企業と行政・金融機関とのパイプ役となる場面もあるため、幅広く対応できる知識や能力が求められます。転職先の候補として、コンサルティング業界や士業の事務所、公的機関が挙げられます。

資格を取得した後に独立や起業する人も多く、経営コンサルティングや資格講座の講師・添削指導などをおこなっている人が見られる傾向です。

税理士

試験名税理士試験
受験資格​​学識や資格、職歴といったさまざまな分野の受験資格を定めており、いずれか1つの要件を満たせば、受験資格を有する。
試験日程年1回(毎年8月頃開催)
試験形式科目合格制 受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよい。
・会計学に属する科目(簿記論および財務諸表論)の2科目
・税法に属する科目(所得税法・法人税法・相続税法・消費税法または酒税法・国税徴収法・住民税または事業税・固定資産税)のうち、受験者の選択する3科目
※所得税法または法人税法のいずれか1科目は、必ず選択しなければならない。
合格率【2021年実施分】18.8%
簿記論/16.5%
財務諸表論/23.9%
受験料1科目/4000円
2科目/5500円
3科目/7000円
4科目/8500円
5科目/10000円 

税理士とは、税金のスペシャリストとして、納税のアドバイスや申告書の作成をおこなう職業です。税務や会計業務の他にも、「企業の安定・成長」につながるコンサルティング業務を通じて、顧問企業の発展に貢献します。

税金に関する業務は専門性が高く、税理士の独占業務となっています。受験生の多くは、税理士試験を受験しながらも、税理士法人・会計事務所に就職・転職して、必要な実務経験も積んでいくのが一般的です。

税理士法人・会計事務所の多くは税理士が不足しているためニーズの高い資格です。独占業務であることから、資格を取得した後、独立開業をする人が見られます。

行政書士

試験名行政書士試験
受験資格​​年齢、学歴に関係なく、誰でも受験可能
試験日程年1回(2022年度は、11月開催)
試験形式「択一式」と「記述式」の2つの出題形式。
択一式は「5肢択一式」と「多肢選択式」の2種類に分類される。
合格率【2021年度】11.18%
受験料10400円

行政書士とは、1951年に成立した行政書士法より誕生した国家資格です。行政書士の仕事は大きく分けて以下の3つになります。

  • 権利義務・事実証明に関する書類をつくる「書類作成業務」
  • 申請を代わりにおこなう「許認可申請の代理」
  • クライアントからの相談を受け、アドバイスを行う「相談業務」

行政書士試験の出題科目は法律の土台となる部分なので、公務員試験や宅建士、司法書士などの法律系資格のベースとなります。法律事務所や弁護士事務所への転職、企業の法務部への転職、独立・起業など資格を生かせる場面はさまざまです。

40代の女性におすすめの資格

40代の女性におすすめの資格

厚生労働省「雇用動向調査」(2019年上半期)によると、常用労働者のうち転職した労働者の割合を示す「転職入職率」について、40~44歳は男性が3.6%、女性が7.7%で、45~49歳は男性が3.7%、女性が6.0%でした。

転職入職率が男性よりも女性が高いのは、40代になると、パート・アルバイトで仕事をはじめる女性が増えるからです。女性のパート・アルバイトの就業者数が増えると、資格を取りたいと思う人の比率は高まる傾向にあります。

では、40代の女性におすすめの資格はなにか、この章では2つの資格について解説していきます。

医療事務

試験名医療事務技能認定試験
受験資格​​年齢、学歴に関係なく、誰でも受験可能
試験日程在宅受験:毎月(毎月第4土曜日翌日の日曜日)
インターネット受験:好きなときに受験可能
試験形式実技試験10問 学科試験40問 ※すベて択一式
合格率85%
受験料5000円(税込)(学科・実技)

医療事務の業務は、医療機関内での患者受付けや治療費の計算、診療報酬明細書作成、カルテ管理など多岐に渡ります。

近年は電子カルテの導入や医事コンピュータの発達により、1からレセプトを作成する機会はほとんどなくなりました。しかし、医療機関で勤務するには、医療保険制度や診療報酬の算定の基本的な知識を習得している必要があるのです。

医療事務技能認定試験は、医療事務業務の基盤となる資格として、一定水準の技能があることを証明し、医療事務業務の向上を目的としています。

実技試験では診療報酬明細書を作成するために必要な知識が問われ、学科試験では法規や保険請求事務、医学一般に関する問題が出題されます。医療事務技能認定試験に合格した後は、医療事務管理士を目指すことも可能です。

調剤薬局事務

試験名調剤薬局事務検定試験
受験資格・​​日本医療事務協会が認定する団体の講座の受講者
・受験申請のあった高校、専門学校、短期大学、大学等、受験申請のあった一般受験申込み者
試験日程試験日/ 毎月第4日曜日開催試験時間/ 90分
試験形式マークシート方式
学科試験/調剤報酬算定に関わる基礎知識実技試験/調剤報酬の算定および調剤報酬明細書作成
合格率【2020年度】89.7%
受験料一般受験:5500円(税込)団体受験:4950円(税込)

調剤薬局事務検定試験は、2018年より実施された、日本医療事務協会主催の資格試験です。調剤薬局での請求事務業務の基礎的な知識と技能レベルが審査されます。会場受験だけではなく自宅で受験できるのが特徴で、資料の持ち込みも可能です。

調剤薬局事務は、ワークスタイルに合わせて働ける職業です。家事や育児とも両立しやすいため、女性におすすめの資格といえるでしょう。

まとめ

40代で資格を取得して人生やり直しをするためには、事前に自分に必要な資格がどの資格かを見極めることが大切です。自分に必要な資格を取得後、どのように生かしていくか考えておきましょう。

この記事で紹介した資格はあくまで一例であり、資格の生かし方はさまざまです。自分が理想とするキャリアプランを達成させるためには、どの資格を取得する必要があるのか考え、行動に移していきましょう。